グランプレミオ アウトストリケ/GRAN PREMIO AUTO STORICHE

Report

大会レポート

白樺湖畔でPC競技に挑む LOTUS 17

16 Jun. 2018

【Day1】北アルプスの山々に抱かれながら、深緑のワインディングロードを駆ける

今年で15回目の開催を迎えたグランプレミオ・アウトストリケ。梅雨の時期、雨の予報も出ていたが、低く垂れ込めた雲の隙間からは晴れ間も見え、天気はまずまずといったところだ。

ラリー1日目となる16日は、朝8時に八ヶ岳高原ロッジを出発し、最初のPC競技会場となる白樺湖畔を目指す。クラシックカーラリーのPC競技というのは、決められた区間を決められた秒数でいかに正確に走るかということを競うもので、計測ラインを踏む瞬間を1000分の1秒単位で計測され、その誤差が少ない者により多くのポイントが与えられるというルールになっている。今回は2日間で27区間のPC競技が行われたのだが、1区間ごとの結果の積み重ねが重要となるだけに、競技に向かうエントラントたちの表情は真剣だ。

白樺湖畔での競技を終えると、次の競技会場となるシェーンガルテンおみへ。深緑のトンネルを走り抜け、ワインディングロードを駆けると、心地よい風が頬を撫でていく。みずみずしい景色の中で、気持ちのいいドライブは続く。シェーンガルテンおみに到着すると、PC競技を行い、ランチタイム。食事が終わると、ランチ前と同じコースセッティングと時間設定で、再び競技が行われた。まったく同じ設定でも、気温や天候、体調や車の調子によって結果は異なってくる。クラシックカーラリーのPC競技は、他のモータースポーツと同様に、とても繊細なのだ。

シェーンガルテンおみを出ると、千曲川沿いのルートを経由して、聖山パノラマホテルへ向かう。午後になって雲が出始めると、標高の高さもあり寒さを感じる気温となってきた。聖山パノラマホテルで競技をこなすと、この日最後の競技会場となる白馬アルプスホテルを目指す。

白馬アルプスホテルでは、5区間が連続するレイアウトのPC競技が行われたが、他の競技会場と同様に、ここでも競技開始時刻になるまで競技エリア内を歩いて距離を確認するエントラントたちの姿が多く見られた。自分の歩幅と歩数で、競技区間の距離を実際に確かめ、いかに誤差なく計測ラインを踏むことができるかをイメージする。この日最後のPC競技となるだけに、みな集中した面持ちで競技に臨んでいた。

白馬アルプスホテルで競技をこなすと、ゴールとなる白馬東急ホテルまではもう少し。約258kmを走ったエントラントと車たちには、疲労の色も見え隠れしていたが、ホテルに到着するとエントラント同士、お互いに今日1日を笑顔で振り返っていた。

北アルプスの山々に抱かれながら壮大な風景の一部となり、深緑のワインディングロードを走る喜びを、エントラントたちは存分に味わったことだろう。太陽が顔を出していたのはほんの少しの時間だったが、車窓から見える景色はどこまでも美しく、胸に迫るものがある。

夜のガラパーティでは、恒例となっている1日目の区間賞が発表され、この日行われた20のPC競技でそれぞれ1位を獲得したエントラントが表彰された。名前が呼ばれるごとに会場は拍手に包まれ、各テーブルともラリーの話が尽きることはなかった。明日は7つのPC競技が予定されている。逆転を狙うエントラントも、そのまま逃げ切りたいエントラントも、美味しい食事とお酒とともに、仲間たちとの夜を楽しんでいた。

(文&写真:岩本 美香)

  • ALFA ROMEO Giulietta Spider が見つめるのは、白樺湖畔のPC競技の最終ライン

  • シェーンガルテンおみで行われたPC競技で、計測ラインを目視しながらタイミングを合わせる MG-TC

  • シェーンガルテンおみで、ランチ後に同じ設定で再度行われたPC競技に臨む MG-C

  • 夜のガラパーティでは、恒例となっている区間賞の発表が行われ、盛り上がりを見せた

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