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大会レポート

苗場スキー場で4周目のPC競技に臨む AUSTIN HEALEY 100 BN2
08 Nov. 2020
【Day2】仲間たちと、愛車を走らせる喜びを
フロントガラスに霜が張り付くこともなく、昨年と比べると暖かな朝を迎えた2日目。天気はまずまず。暖機をしっかりと行ったエントラントたちは、苗場スキー場へ向かって勢いよく出発していった。
この日は、苗場スキー場でのPC競技のみというスケジュール。そのPC競技が、8連続を4回繰り返すという怒涛の内容で、前日同様、レイアウト(距離)は変えずタイムが変わるという、難易度の高い設定が用意されていた。
冷たい風が吹く苗場スキー場に到着すると、エントラントたちは計測ラインが置かれた距離を1区間ずつ確かめながら、PC競技のレイアウトを自分たちの足で歩きながら確認していた。どのくらいの速度で走れば、ここを何秒で通過できるか、ということを感覚的に把握するのだ。
競技が始まると、広い競技会場にエンジン音を響かせ、真剣な眼差しで計測ラインを見つめながらタイミングを合わせて踏んでいくエントラントたち。1000分の1秒を争うPC競技は、とても繊細なのだ。
競技を終えた一行は、一気に南下し軽井沢を目指す。太陽が顔を覗かせ、穏やかな晩秋の日差しが、色とりどりの山々を優しく照らしている。ワインディングロードを軽快に走れば、人も車もご機嫌だ。
ゴールとなった太平洋クラブ軽井沢リゾートに到着したのは、正午すぎ。エントラントたちは疲れも見せず、そのままランチ会場へ。美味しいランチをいただいたあとは、お待ちかねの表彰式だ。
第3位となったのは、No.1の岡野兄弟チーム。アウトストリケ の常連だ。昨年6月のグランプレミオ で同じく3位になって以降、表彰台に上がっていなかった2人だが、今回見事に3位を獲得。
第2位は、初参加となったNo.3の竹元夫妻チーム。イタリアのミッレミリアでは、日本人最高順位を何度も獲得している実力を持つ2人が、第2位となった。
そして今回優勝となったのは、No.5の横田・大木チームだ。彼らもまた、国内・国外のクラシックカーラリーに数多く参戦し、輝かしい成績を残している。2位の竹元夫妻チームと僅差であったが、貫禄の優勝となった。
今年はコロナ禍ということで、PC競技もいつもとは少し違った設定で行われたり、パーティも静かな中で行われたりと、例年とは異なる雰囲気の中での開催となった。それでも、街を走れば地元の人たちは笑顔で手を振ってくれ、スタンプポイントでは、大人も子ども夢中になって写真を撮っていた。こんな時だからこそ、このようなイベントが持つ意味や意義を、改めて考えさせられた2日間だった。車を走らせて地域を笑顔にするという触れ合いのかたちを、これからも続けられることを願う。
(文&写真:岩本 美香)
苗場スキー場での最初のPC競技に挑む LOTUS ELAN S3 DHC
計測ラインを目視し、競技に集中する ALFA ROMEO Giulia 1600Ti
MAZDA COSMO SPORTS は疲れも見せず無事にゴール
上位3組による恒例のケーキカットは見送りとなったが、笑顔の表彰式となった