Report
大会レポート

千ヶ滝温泉でのPC競技に臨む Lagonda Aston Martin DHC
11 Nov. 2017
【Day1】色とりどりの表情を見せる山々に見守られ、競技に集中
18回目となるコッパデッレ・アウトストリケが、紅葉に彩られた軽井沢、そして群馬県にて開催された。今年は57台もの車がエントリー。1日目となる11日は、冷たい雨がしっとりと木々を濡らす中、エントラントたちはしっかりと防寒対策をして軽井沢 浅間プリンスホテルを出発していった。
ホテルを出ると、PC競技(決められた区間を決められた秒数で走る計測競技)の会場となる千ヶ滝温泉へ向かう。千ヶ滝温泉に到着すると雨は上がり、背後には白くけぶった浅間山が姿を現した。ここでは、アウトストリケ独特の短い距離設定の5連続のPC競技が行われ、カーブの先に計測ラインが設置されるなど、なかなか難しいレイアウトが用意されていた。競技前は、みなコースの確認に余念がなく、計測ラインの間を何度も行ったり来たりしながらイメージを掴んでいるようだった。
千ヶ滝温泉での競技が終わると、川場村役場で昼食をとり21世紀の森へ。山の上から吹きつける風は凍りそうなほど冷たく、日差しはあるものの、みぞれ混じりの雨が降ったり止んだりしている。ここでもエントラントたちは、競技前に設定やコースをチェックしていたのだが、あまりにも風が強いため、確認もほどほどに車へ戻っていった。競技が始まると、屋根のない車はもちろんのこと、屋根のある車からも雨に濡れることなどお構いなしに、身を乗り出して計測ラインを目視しながらタイミングを合わせていた。クラシックカーのラリーとは、サーキットで行うようなスピードを競うものではなく、公道をゆっくりと安全に走ることを前提としているが、その中で行われている競技は、大人たちがこんなにも熱く、真剣になれるものなのだ。
競技会場やスタンプポイントを結ぶワインディングロードは紅葉に彩られ、山々は色とりどりの美しい表情を見せていた。この季節の、この時期にしか見ることのできない景色は、日本の原風景のようでもあり胸を打つ。青い空にくっきりと浮かび上がる稜線は、雄大な自然の象徴のように、どこまでも続いていた。
21世紀の森を出ると、1つ目のスタンプポイントの赤城公園を経由し、前橋を通過後、2つ目のスタンプポイントの高崎さやもーるへ。毎年通過地点となっているもてなし広場の前を通ると、たくさんの地元の人たちがエントラントを迎えてくれ、多くのシャッターが切られた。さやもーるでスタンプをもらうと、1日目最後の競技会場となる榛名公園多目的グランドを目指す。
冬の気配を纏った榛名山と榛名湖に見守られながら、榛名公園で8連続のPC競技が行われる頃には、日も暮れ始めていた。エントラントたちの表情からは疲労の色も見え隠れしていたが、最後まで競技に集中。後半のエントラントは、ヘッドライトで計測ラインを照らしながらの競技となった。
軽井沢 浅間プリンスホテルに戻ると、辺りはすっかり暗闇に包まれ、静けさと寒さが漂っていた。朝になるとフロントガラスが凍ってしまうため、車にカバーをかけるなど、しっかりと対策を行ってからお楽しみのディナーへ。
夜のガラディナーでは、1日目の各PC競技の成績発表が恒例となっており、エントラントたちは食事とお酒を楽しみながら、大いに盛り上がっていた。名前が読み上げられるたびに、あちこちのテーブルから拍手や歓声が上がり、それぞれが思い思いに夜の宴に酔いしれた。
(文&写真:岩本 美香)
色づいた木々に彩られた千ヶ滝温泉までのワインディングロード
21世紀の森でみぞれ混じりの雨の中、PC競技に挑む MG-TD
日が暮れかけ始めた榛名公園でPC競に臨む技 MG-TC
美味しい食事とお酒で乾杯!ガラディナーでは1日目の表彰式が行われ、夜の宴は遅くまで続いた