グランプレミオ アウトストリケ/GRAN PREMIO AUTO STORICHE

Report

大会レポート

車山高原スカイパークホテルにゴールする LAGONDA Aston Martin DHC

18 Jun. 2017

【Day2】エントラントを魅了する
コースと景色と勝負の行方

2日目は、白馬から車山高原へ戻る約135kmのコースが用意されていた。どんよりと曇った空と、ひんやりとした空気に包まれながら白馬東急ホテルをスタートした。

この日は半日の行程のため、競技会場は白馬アルプスホテルの一箇所のみ。上位を狙う者たちにとっては、ここでの競技結果が鍵を握ることになる。とはいえ、8連続のレイアウトはコーナーの先に計測ラインが置かれるなど、難易度の高い設定となっている。エントラントたちは昨日と同様、競技エリア内を歩いたり走ったりしながら、計測ライン間の距離を何度も確かめていた。計測ラインを正確に踏むためには、ラインに対して車体を真っ直ぐ(垂直)にする必要があるため、コーナー終わりの計測ラインに合わせるには、ハンドル操作とペダル操作の両方が伴う。車の中では、やらなければならないことがたくさんあるのだ。

白馬アルプスホテルを出ると、一気にゴールとなる車山高原スカイパークホテルを目指す。仁科三湖を右手に眺めながら、安曇野市と松本市、上田市を経由し、山あいのワインディングロードを抜けて白樺湖が見えてくると、ゴールはもう目の前だ。ほとんどの車が正午前には到着し、表彰式前のひとときをエントラント同士語らいながら楽しんでいた。

昼食を食べながらの表彰式は、和やかな雰囲気のなか行われた。今回は時期的なこともあり、アウトストリケ恒例のケーキカットは用意されなかったのだが、3位までのエントラントには、長野の美味しい玉ねぎ10kgが賞品として贈られた。

見事玉ねぎを手に入れ第3位となったのは、今回が初めての参加となるNo.25の伊藤チームだ。初参加で素晴らしい成績を収めた2人だが、各競技会場で一番熱心に計測ラインの位置や距離を確認していたのは、紛れもなく彼らだった。今後が楽しみなチームである。第2位はNo.47のベテラン、横田・大木チーム。今回は NISSAN FAIRLADY 240Z での参加となったが、彼らはこの車で来年のラリー・モンテカルロ・ヒストリックに参戦する予定だという。ラリーへの情熱が尽きない2人を、日本から応援したい。そして優勝を果たしたのは、No.3の岡野兄弟チームという結果となった。昨年のグランプレミオと秋のコッパデッレでは2位に甘んじていた彼らだが、今回は見事優勝となった。見た目も息もピッタリな2人だが、思い入れのあるアウトストリケで久々に勝てたという喜びから、とても満足そうな表情を見せ、主催者の若林氏へ愛のあるスピーチを寄せた。

2日間で27区間のPC競技をこなし、競技が終わるたびに一喜一憂しながらも、このラリーを存分に楽しんでしたエントラントたち。梅雨の時期にも関わらず天気にも恵まれ、深緑の木々と雄大な山々の美しい風景、そしてメリハリのあるコースは終始エントラントたちを魅了し、退屈させることがなかった。秋に開催されるコッパデッレ アウトストリケで、また再び競い合おうと言って、エントラント同士握手を交わし、しばしの別れを告げた。

(文&写真:岩本 美香)

  • 白馬アルプスホテルで、計測ラインを目視しながら競技に臨む SIATA SPRING

  • 真剣な表情で計測ラインを踏むタイミングを合わせる LOTUS ELAN

  • ゴールとなる車山高原スカイパークホテルに到着した NISSAN FAIRLADY 240Z

  • 優勝した岡野兄弟と主催者の若林氏は、互いに愛のあるスピーチを寄せ合った

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